工房ブログ 2026.2月号

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ハンドルネーム 和三盆

黒い窓がほんのり紺色に変わってきました。
少し時間が経過して、さっきより明るい紺色になりました。
そろそろ幕開けです。

段々と色が明るくなり、景色が見え始めます。
また、車の通る音、鳥の鳴き声、人の足音、話し声など、窓というスクリーンを通して様々な情報が進入してきます。
これは寝室にある、窓の話。
その窓一枚が映画のようなストーリーを提供してくれます。

この日は体調が悪く、ずっと横になって寝たり起きたりウトウトしていました。
すると…ピョロヒョロ、チッチチッチ、チュンチュン、窓の上に4羽のかわいい来客がありました。
この時知ったのですが、スズメってチュンチュンだけではなく色んな鳴き方をするんですね。
しばらく来客の井戸端会議ならぬ、窓端会議を眺めていたのですが、私の咳のせいでお開きとなりました。
びっくりさせちゃったね、ごめんなさい。

この頃はまだまだ暑い季節でしたが、この日は涼しかったので、窓を開けて過ごしていました。
しかし、日が徐々に落ちてくると西日がじりじりと熱を投げ込んできました。
これには堪らず窓を閉め、エアコンに切り替えました。

ふと気付くと夕焼けで窓が燃えています。
太陽が西の山に吸収され、徐々に暗くなっていきます。
しばらくするとほぼ消えたオレンジ色が、一瞬バッと燃えるんです。
しかし、それはすぐに燃え尽きてしまい、静かに夜空となります。
時間にして1、2秒の出来事なのですが、儚くて幻想的で何度見ても飽きません。

次第に窓が黒に塗られていきます。
窓を開けると、スゥ~っと涼しい風が入り込んできて私に挨拶してくれました。
雰囲気、質感、温度、匂い…挨拶してくれたのは、次の季節の風でした。

黒い窓は虫の声をBGMにして、時折車のライトで光のシャワーを浴びる程度になり、徐々に情報量が減っていきます。
そろそろ幕引きのようです。
私も眠くなってきました。おやすみなさい。

ハンドルネーム 千輪和

 睡眠時無呼吸症候群。
名前だけ聞くと他人事でしたが、放っておくと高血圧や心疾患のリスクが高まると聞き、さすがに真剣に向き合うことにしました。
治療として使い始めたのがCPAP。
寝ている間に鼻や口から空気を送り込み、気道が塞がらないようにする医療機器です。
薬ではなく、「呼吸そのものを支える」というのが特徴だそうです。

初めてCPAPを装着した夜は、正直言って違和感の塊でした。
顔にマスク、ホース付き。
「自分はいま、医療ドラマの患者役かな?」と心の中でツッコミを入れつつ就寝。
空気が送り込まれる感覚にも慣れず、寝返りを打つたびにホースと格闘していました。

それでも数日、数週間と使い続けるうちに変化が出てきます。
朝の頭の重さが減り、日中の眠気も明らかに違う。
何より、家族から「いびき止まってるよ」と言われた時は、地味にうれしかったですね。

CPAPは治療器具ですが、使ってみて感じるのは「予防」の力です。
眠っている間の呼吸を整えるだけで、体も気持ちもこんなに楽になる。
最初は見た目も扱いも少し笑える存在でしたが、今では立派な健康パートナーです。
毎晩マスクをつける自分の姿には、いまだに慣れませんが、
朝すっきり目が覚めるたびに「まあ、これも悪くないな」と思っています。

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